LED

1.LEDの構造と種類

LEDはパッケージの構造とその用途によって大きく以下の3種類に分類することができます。
また、照明用途に多く使われるSMD型トップビューLEDの構造と種類、性能と寿命に影響を与える要素を以下に説明します。

1) LEDの種類と用途

砲弾型
光の照射角度が狭いため、指向性が必要な信号やサインなどに使用さています。

SMD型トップビュー
光の照射角度が広く、表面実装できることから液晶TVの直下型バックライトや照明に使用されてます。

SMD型サイドビュー
携帯電話など小型電子機器のLCDバックライトに使用されています。

2) SMD型トップビューLEDの構造

右の図は照明用LEDの主力形状となる白色SMD型トップビューLEDパッケージの構造です。樹脂またはセラミックのパッケージに青色発光ベアチップを実装しワイヤボンディングで電極とつなぎ、黄色の蛍光体を配合したシリコンで封止しています。
パッケージは用途により、サイズ,耐久性,光効率,電極数,材質などの違いで様々な種類が存在します。
ベアチップの種類は定格消費電力によって大きく3種類に分けることができます。
スモールチップ:定格 3V, 20mA, 0.06W
ミドルチップ: 3V, 60~80mA, 0.18~0.24W
パワーチップ: 3.5V, 300mA以上, 1W以上

3) LEDの性能と寿命に影響を与える要素

LEDはさまざまな要因により劣化が起こります。その代表的な要因を以下に示します。
過電流やジャンクション温度上昇などに起因するベアチップ損傷による発光効率の低下
封止剤(透明シリコンなど)の黄変や劣化による透過率低下
封止剤とパッケージ境界面の密着性低下による反射率の低下
リードフレーム電極の劣化
同じメーカーの同一クラスのベアチップでも、パッケージ形状や材質,ボンディング位置、また、蛍光体,封止剤などの副部剤によって、光効率も寿命も大きく変わります。

 

2.特許と産業構造

1) LEDの産業構造

LED製品の製造工程は、これまでの蛍光灯や電球のような一企業による一気通貫生産方式とは異なり、大きな工程ごとにそれぞれの分野の企業が役割りを担うような構造になっています。そのため、工程ごと、企業ごとに独自のノウハウと特許を所有しており、最終製品のコストや品質はその組み合わせに大きく左右されます。
コスト優先でこれらの行程に神経を使わずLED製品を製造すると、色温度や輝度,寿命,効率など品質のばらつきや、他社特許の侵害など、製品販売後に大きな問題が発生する恐れがありますので、使用しているLEDの各工程別の特許には注意を払う必要があります。

2) 特許

LED素子製造主要5社とその他の素子メーカーは、それぞれの会社がクロスライセンスやランセンス契約を結ぶことで特許侵害回避を行っていますが、訴訟も多く発生しています。

それぞれの関係は随時変化していますので、参考程度に見てください。

LEDの特許はベアチップの製造方法から、白色発光させるための蛍光体組合せ、パッケージの形状、ベアチップボンディング位置に到るまで、様々な種類の特許が複雑に絡み合っています。大手メーカーのベアチップを使用したLEDだからだといって一概に問題ないとは言い切れないところがLED特許問題の難しいところです。
前項で説明したとおり、LEDといわれる製品に加工しているのは2次メーカーであるパッケージングメーカーですので、パッケージングメーカーからベアチップと蛍光体、パッケージ形状などの特許に関する詳細な説明と保証を取ることが最も重要です。

3) パッケージングメーカーの保証

LED素子(ベアチップ)メーカーから素子を、パッケージメーカーからパッケージを、化学メーカーから蛍光体やシリコンを調達し、チップマウンターやワイヤボンダー、ディスペンサー等の設備でパッケージングを行うパッケージングメーカーから、それぞれの特許に関する保証をとることが肝心です。

4) LED素子メーカーの保証

勿論、使用している素子が最も重要ですので、素子メーカーから保証をもらうことが大前提になります。

3.LED照明製品の留意点

1) LED製品の性能と寿命

長寿命,低消費電力,高効率といわれているLEDですが、製品化した場合には、電源ノイズや回路設計上の過電流、使用されているベアチップの固体差、発熱などにより著しく寿命が低下したり、効率が低下するなどの現象が発生します。
LEDは本来長寿命,低消費電力,高効率ですが、それにはLEDの特性を100%活かせる製品化技術が重要です。

これらの対策を怠ると、短寿命,高消費電力,低効率の製品ができてしまいます。
コスト最優先の製品に多く見られます。

2) LED調達ルートの確保

特許問題がクリアされていることと、LED自体の性能・品質は別問題です。色むら,輝度むらの無い、均一の電気特性を持つLEDを如何に安定して確保するかが製品品質の鍵を握ります。
LED‐TVやLED照明市場の拡大に伴い、需要が急増している白色LEDに関しては、素子メーカー,パッケージングメーカーともに供給先に優先順位を設けています。
今後更に不足が予想される素子の確保方法が安定した製品製造において重要事項です。

4.製品寿命と信頼性

1) 電源

LED劣化の大きな原因として、LEDの駆動電源が挙げられます。LED素子は半導体ですので、直流で安定した電圧・電流で駆動することが望まれます。
しかしながら照明製品の場合、電源は一般的な交流を使用せざるを得ず、製品内部または電源部で交流を直流に変換してLEDを駆動することが必要となります。
また、一般的な交流電源にはサージ電圧やリップル電圧といったノイズが含まれています。このノイズがLED素子に致命的な損傷(クラック)を及ぼし、これが輝度低下,寿命定価の大きな要因となります。

2) LED駆動方法のいろいろ

LEDは一般的に5V以下の電圧を掛ければ発光します。しかしながら前項で述べたノイズの除去や、駆動後の各部品温度上昇に伴う電気特性の変化などによる印加電圧の変化などを考慮せずに回路を設計すると、数か月、ひどい物では数日で輝度が低下したり切れたりします。

LED駆動回路という見えない部分がとても重要です。

3) パッケージの性能

下の表はパッケージの表面温度とジャンクション温度が輝度劣化に及ぼす影響をシミュレーションした表です。

照明製品としてLEDを使用する場合、他の用途でLEDを使用する場合とは異なり、365日24時間点灯し続けるというLEDにとっては過酷な使用条件となります。
連続点灯が前提となる照明製品の場合、パッケージの放熱性能がLED自体の寿命に大きな影響を及ぼします。
照明専用または照明用途のパッケージを使用する必要があります。

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